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海外研究室便り No.12

 2012年10月から米国ボストンにあるハーバード大学に留学しております。Brigham and Women's HospitalのRenal DivisionおよびDivision of Biomedical EngineeringのChief であり、アメリカ腎臓学会の会長を務められましたJoseph V. Bonventre教授の研究室になります。
 当研究室は、Renal Divisionの中では最大規模の研究室であり、世界中から留学者を多く受け入れています。研究者の入れ替わりも頻繁で、在籍者の人数が確認できないほどに多くの研究者が研鑽を積んでいます。教授は非常に多忙で世界中を飛び回っておりますが、臨床から基礎研究まですべてを統括され、常にハイクオリティな研究を行っております。
 Bonventre教授の研究は、腎障害/線維化の病態生理学、腎臓における幹細胞、および腎障害のバイオマーカーなど多岐に渡ります。そんな中、私は、教授が新たに立ち上げられた、多能性幹細胞を用いた腎臓の分化誘導に携わることになりました。私自身が、大学院時代よりマウスES細胞を用いて腎臓の分化誘導を行っていたこともあり、私が今まで行ってきた研究を更に発展させる事ができました。
 私の研究室では、関連施設からの研究者が発表を行う、basic science conferenceが毎週あり、異なる研究領域からの発表を聞くことで、知識の幅が広がるだけでなく、共同研究の機会も得ることができます。また、ここボストンには、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学など、日本からの留学者も多く、日本人同士のコミュニティも広がります。

(写真は2013年夏のもので、真ん中がBonventre教授で、筆者は一番右です)


森實隆司(慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科)